物静かに演奏している様子は、貴人のような気品がたいそう感じられた。
しらぶ【調ぶ】
調律する
演奏する
調子にのる
<他動詞・ハ行下二段活用>
- 楽器の音程を調整する、調律する。
- 楽器を演奏する、奏でる。
- 図にのる、調子づく。
<関連語>
▶しらべ【調べ】名詞→①楽器の調子。②演奏。③楽曲。④鼓の調子を整えるための紐。
▶かきあはす【掻き合はす】動詞→①合奏する。②弦楽器の調子を整えて試しに弾いてみる。③手で寄せ合わせる。
調律する
『源氏物語』常夏
をかしげなる和琴のある、ひき寄せたまひて、掻き鳴らしたまへば、律にいとよくしらべられたり。音もいとよく鳴れば、すこし弾きたまひて
風情ある和琴があるのを、(光源氏は)お引き寄せになって、掻き鳴らしなさると、律の調子にとてもよく調律されてある。音もとてもよく鳴り響くので、少しお弾きになって
演奏する
『源氏物語』明石
「さらば、形見にも忍ぶばかりの一ことをだに」とのたまひて、京より持ておはしたりし琴の御琴取りに遣はして、心ことなる調べをほのかに掻き鳴らしたまへる、深き夜の、澄めるはたとへん方なし。入道、えたへで箏の琴取りてさし入れたり。みづからもいとど涙さへそそのかされて、とどむべき方なきに、さそはるるなるべし、忍びやかにしらべたるほど、いと上衆めきたり。
「それならば、形見に忍ぶような一節だけでもせめて」と(光源氏は)おっしゃって、京から持っていらしていた箏の御琴を取りに人を遣わして、格別に素晴らしい一曲をかすかに掻き鳴らしていらっしゃる、夜深くにその音が澄んでいることは、たとえようもない。入道は、こらえきれなくなって、箏の琴を取って御簾の内にさし入れた。(明石の上)自身も、たいそう涙まで誘われてきて、とどめようがないので、琴を奏でる気になったのだろう、物静かに演奏している様子は、貴人のような気品がたいそう感じられた。
調子にのる
『枕草子』にくきもの
わづかに聞こえたる事をば、我もとより知りたることのやうに、こと人に語りしらぶるもいとにくし。
すこし聞いただけの事を自分が前々から知っていた事のように、他の人に調子にのって語っているのは、とてもいやらしい。
誰かに話したくなる古典知識
和琴、きんの琴、そうの琴
琴というのは、一つの楽器のことではなくて、琴、箏、和琴、大和琴、琵琶などの弦楽器の総称です。
和琴
『源氏物語』 常夏で光源氏が弾いていたのは、和琴(わごん)です。和琴は、日本に古くから伝わるもので、六本の弦があります。柱と呼ばれる道具を弦に挟み込んで音程を決め、琴軋(ことさぎ)という道具で弦を弾いて演奏します。「和琴」と表記しますが、柱があるので箏に分類されます。
きんの琴
『源氏物語』明石で、別れの前に光源氏が弾いていたのは、京から持って来ていたという琴の琴(きんのこと)です。琴の琴は、小ぶりで、七本の弦があり、特別な道具類は使わずに、左手で弦を押さえて右手の指で弦を弾きます。
そうの琴
この時、父親の僧都によって御簾に差し入れられ、明石の君が弾いたのは、箏の琴(そうのこと)です。箏の琴は、大ぶりで、十三本の弦があり、柱と呼ばれる道具を弦に挟み込んで、音程を決めます。その夜に初めて聞いた明石の君の演奏は、あまりにも素晴らしくて、光源氏はもっと早くから聞かせてもらえばよかったと後悔します。そして、この澄んだ琴の音が明石の君の魅力と重なり、光源氏の心を強く引き付け、将来を誓うまでになります。
キャラ紹介
演奏すると調子にのる友だち

しらぶ【調ぶ】
調律する。演奏する。調子にのる。